seraphyの日記

日記というよりは過去を振り返るときのための単なる備忘録

RAMDisk [QSoft] Enterprise Liteをつかってみる。

動機

私の作業マシンは、ちょっと古いタイプで、CPUはPentium4 2.66GHz、HDDはSAMSUNG SV401Hで、メモリは512MBだった。
デフラグもかけたし、いらないサービスもとめている。
だが、なんか、よくわからないが、とにかく遅い。

仕方ないので2GBのメモリに換装してみた。
体感速度は何も変わらず、ええー?って感じ。
システムプロパティのパフォーマンスオプションを見たら、システムキャッシュが有効になってなかった。
これを有効にしたところ、起動直後は遅いもののアプリケーションを開いてゆくうちにディスクキャッシュが、いい感じに効いてきて、だんだんと快適になってくる。
どうやら、とくにHDDが遅いっぽい。

2GBの大半をキャッシュに使うのならば、そもそもRAMDiskなんか使ってみたら、もっと効果的なんじゃないか、なんて思った。
DOSの時代にはHDDも遅くてRAMDiskはよく使ったものだが、Windowsになってからは必要性を感じなかったものである。
しかし、今やメモリも格段に安くなったし、アプリケーションが使うメモリ量よりも遥かに大容量の空きメモリがある時代だ。
RAMDiskを使うという選択肢はアリなんじゃないか。
たしか、DDKのサンプルにRAMDiskがあったと思うが、だれかフリーで作ってないかな、なんて思って探してみる。
だが、しっかりとした安定していそうな現在もメンテナンスされているRAMDiskドライバは案外少ないらしい。

そんな中でみつけたのが、QSoftのRAMDisk Enterprise Liteである。

QSoftのRAMDisk Enterprise Liteを評価してみる

QSoftのRAMDisk Enterprise Liteは以下のページにある。
http://members.fortunecity.com/ramdisk/RAMDisk/ramdriv.htm

フリーじゃないけれど、$8という驚きの低価格。
現在のメンテナンスされていて、Windows2000/XP/2003/Vistaに対応している。(更に、64ビット版にも対応している。)
OEMとしても提供されていて、いろんなところが採用しているらしい。
製品としての品質は十分ありそうだ。

Enterprise Liteの評価版は機能制限は一切なく普通に使える。
(http://members.fortunecity.com/ramdisk/Download/download_and_buy.htm からダウンロード可能)
試しにインストールして512MBほどをRAMDiskとして割り当て、Eclipseワークスペースとして使ってみたところ、これがすごい快適なんだ。
評価版だとRAMDiskを使うたびに頻繁にタスクバーの通知領域(通称タスクトレイ)に「寄付よろしく」と案内がでるのだが、それ以外には制限はない。
この通知はドライバエラーのような形式で、ちょっとギョッとするのだが、メッセージを表示するためだけのものであり、実際にエラーが発生しているわけではないし無害である。(イベントログにも記録されないし。)
半日ぐらい使ってみて安定しているし本当に快適になったのが実感できたのでPayPalで$8支払うことにした。
PayPalで支払うと、しばらくしてメールにEnterprise Liteの非評価版が添付されて送られてくる。
これをインストールすれば通知領域のメッセージが出なくなる。
※ なお、支払ったからといってバージョンアップや何らかの利用者としての権利が与えられるというわけではない。ただ、ホップアップなし版がもらえるだけである。

使い方

インストールすると、これはデバイスドライバなのでデバイスマネージャの中にRAMDiskという項目が追加されていることが確認できる。

RAMDrive [Qsoft] Enterprise Liteを開くと、こんな感じ。


RAM Disk Propertyタブから、ディスク容量やドライブレター、ファイルシステムの形式などを設定できる。
圧縮とかインデックスを使うとかのチェックボックスマイコンピュータでドライブのプロパティを表示したときに出てくるものと同じようなので、ここで設定する必要があるものなのかは不明。
CPUパワーが有り余っているならば貴重なメモリを有効利用する意味で圧縮しておくのもよいかもしれない。
(どのくらいの効果があるのかは分からないが、私は、そうしている。)

この設定を終えれば、すぐにでもRAMDiskとして利用が可能になる。
設定を変更するとRAMDiskは初期化されてしまうので注意が必要である。
とりあえず、いろいろ試しながらRAMDiskとして使ってもよさそうなメモリ消費量を決めたら、あとは変更する必要はないだろう。

状態を永続化できるRAMDisk

RAMDiskは揮発性メモリにあるのでパソコンの電源が落ちたら消えてしまうのは当然である。
しかし、このQSoftのRAMDisk Enterprise Liteでは、現在のRAMDiskの内容をディスクに保存することが可能なのである。

保存したファイルは「起動時に読み込む」にレ点をつけておくとパソコンが立ち上がったときには、その内容が復元される。
よく使うファイルなどを毎回コピーしなくてもよいし、パソコンの電源を切る前に保存しておけば次回起動時に作業を継続することもできる。
(LiteではないEnterprise版はスタートアップ時にディスクを復元するだけでなく、シャットダウン時にディスクを自動退避してくれる設定ができるらしい。)

この操作はよく使うので、デバイスマネージャからRAMDiskを選択してプロパティを開いて…という手順を省いて、RAMDiskのプロパティをいきなり開きたいと思うだろう。
こんなときのためにショートカットも用意されている。
http://members.fortunecity.com/ramdisk/RAMDisk/ramdiskentlite.htm
で、「RAMDrivProperties.exe」をダウンロードして実行すれば、RAMDiskのプロパティにアクセスするためのショートカットを作成することができる。

※ 注意点としては、もし、ディスクのサイズなどの設定を変えたのならば保存済みイメージは捨てる必要がある、ということである。たとえば、64MBでRAMディスクを作成しイメージをファイルに保存する設定をしたあとで、ディスク容量が足りず256MBに拡張することになったとする。このとき、イメージファイルを捨てないと古い64MBのディスクイメージがリロードされて、256MBのディスクとして認識されることはない。

結論

このRAMDiskは2月ぐらいから使っているのだが、サイズを512MBで割り当てて、Eclipseワークスペースとして常用しているのだが、本当に快適だ。
とくに不具合というものも経験していないし、システムが安定になったりはしていない。
更に4月以降から4GBの高速タイプのUSBフラッシュメモリをTrueCryptで暗号化して、ここにドキュメント類を保存して使うようになったが、これと併用するとディスクアクセスが大幅に削減され実に快適なものである。
実にオススメな製品である。