seraphyの日記

日記というよりは過去を振り返るときのための単なる備忘録

デベロッパーサミット2005にゆく

今回の目玉の1つは、The Object Primer: The Application Developer's Guide to Object-Orientation and the UML (SIGS: Managing Object Technology)アジャイルモデリング―XPと統一プロセスを補完するプラクティス (OOP Foundationsシリーズ)の著者であるスコット・アンブラー氏のセッションかと思われるが、…しかし、あの通訳はなんなんだ。というか、通訳だったのだろうか。同時通訳にしてほしかった気がする。
昨年よりも、やはり予想通りアジャイル系のセッションが目立つ。関連しているのか、プロジェクトマネージメント学会が学会誌を(抽選で)配ってたりした。
リッチクライアントは少なく、SOA/ESB関連のセッションも予想よりも少なめ。
昨年はMDAExecutable UML MDAモデル駆動型アーキテクチャの基礎 (Object Oriented SELECTION)の著者、スティーブ・メラー氏が説明しており、それは感激を受けたものだが、今回はMDA関連はなし。



思うに、名古屋の富士通が2ヶ月(10人月)程度の小規模なプロトタイプの作成にXP的手法を取り入れた事例が紹介されていて、従来のLOC比から生産性の比較をしていたのが「苦笑」モノだった。
従来比0.9、0.9、0.9、1.6と推移しトータルで1.2の効果でした。とかいってたが、その前の説明で「オブジェクト指向歴7年のFさんは後半から参加しました。」といっていて、この生産性アップの理由はFさんの仕業であることは数字からも明らか。しかも、ソースコードへのコミット比率のグラフでは圧倒的にFさんの色が濃い。
しかし解せない…。もちろん、スピーカはベテランの風貌で、しかし、物腰のやわらかそうな人である。
ピキーン、見えた!。この人はアジャイルやXPに対しても盲目的な崇拝をしているわけではなさそうだ。数字として現実にアジャイルでは成果が出ている。しかし、その理由はアジャイルの手法そのものにあるわけではない。一人のベテランプログラマの恩恵であることも数字から明らかなのだ。
それに気づかない人は今後もプロセスだけを崇拝すればいいし、そうではなく『XP/アジャイルとは人の生産性の違いを吸収する手法だと気づきたまえ』すなわち、XP/アジャイルの本質が何であるか、それはピープルウェアだ、と黙示していたのであろう。
(※ というか、勘ぐれば…。アドホック開発のほうがプロトタイプを作るには適しているのは経験からも明らか。そこで、アドホック開発に近い形を体裁よく管理可能な形で進めるにはアジャイルを出せば受け入れやすいだろう、と考えただけなのかもしれない。)
はじめ苦笑していたものだが、もちろん、オレが気づくことはみんな気づいているはずだ。なるほど、うまいセッションだったのだ。感服。