seraphyの日記

日記というよりは過去を振り返るときのための単なる備忘録

JavaOne 2005 東京に行く

まだ1日(明日)残っているが、明日は行かない。本日で終わり。

今回は大きなインパクトは感じなかったが、それでも、いくつかの「思い違い」をしていたことに気付けたこと、および、10年目のJAVAとしてのイベントとしては、どうも盛り上がりに欠けているんじゃないの、という心象を得られたことが成果といえようか。あと、いくつか面白いものも。

SOA

以前に「SOA(サービス思考アーキテクチャ)」や、その実現技術である「ESB(エンタープライズ・サービス・バス)」について軽く調べたことがあったが、どうも「DataSpider」とか「Asteria」系のデータ交換のイメージが強くて、そっち系の技術の1つのトレンドか、と認識していたが、これは誤りだった。
たしかに「ESB」については、そういえるかもしれない。
しかし、「SOA」はアーキテクチャであり、言ってみれば思想の範疇であり、カテゴリで言うならば「OOP/OOA/OOD」といった、オブジェクト指向云々、と同列のものであったということ。
これに気付かされたのは、IBMEclipse Foundationに寄贈する予定のプロセス・ツールがらみのセッションで、IBMと、そのRUPチームが、どのような視点でSOAを見ていたのか、というところから。

ダメだな、思想本は表層的な部分で読み進めてしまうと、本質とか大局を見失ってしまう。
SOAは、きわめて重要な考え方なのだと分かった。
ずいぶん、無為に時間を過ごしてしまったじゃないか。

10年目のJAVA

つぎに「10年目のJAVAのSun主催のイベント」としては、ちょっと盛り上がりに欠けるのでは?という印象について。
JavaWorldDay 2005に参加したときには、10年目のJAVAについて熱く語るセッションがあったと思うが、本家JavaOneでは、たしかに10年目のJAVAだと認識しているようではあるが、それを全面に出すようなことはしておらず、むしろ、お祭り的な感じはなく、淡々とセッションが勧められているという感じ。
デュークとかが沢山踊っているとか、そうゆうにぎやかな感じではない。

おそらく、選んだ会場の性質もあるのだろう。
東京国際フォーラム」で、A〓Gまでの、それぞれのホールで、いくつもセッションが分かれているが、セッション会場が完全に隔離されているため、別のセッションでの盛り上がりや客の並び具合などがまったく把握できない。(もともと、同時に複数の集会を開いても互いに影響しないように考慮された施設だからだろう。)
喫煙所や休憩ルームといったものもないので、エンジニアたちが自然発生的に集まるような状況も今回は目撃できなかった。ときどき、「あっ、お久しぶりですッ!!転職してから、まだ一度も…」とか声を掛け合っている人たちを少し見たぐらい。

また、質疑応答も、今回のJavaOneではセッション内ではおこなわず、セッション後に廊下とかでおこなうように、という事務局の通達があった模様。また、セッションに入るためにパスポートを見せる必要はなく、だれでもフリーパス。事前申し込みは意味なし、申し込んでないセッションを受けることができたが、申し込んでいたセッションが定員オーバーで立ち見を余儀なくされたものもあり。(でも、概して定員割れしているセッションが多かったな。)

4万円近く払ったら何のセッションが受けられるのか、とおもってタイム・テーブルを見直すと、ほとんどワークショップばかり。個人が金を払う価値なし。(ワークショップではなく、有料セッションのほうは、確かに、期待できそうなものもあったが、ごく少数。)

すでにwrite once...ではない、と。

Javaは当初は「一度書けば何処でも動く」というマルチプラットフォーム上で動作する、単一プラットフォームを目指していたが、現在では、J2SE/J2EE/J2MEと分離したうえで、JAVAにも複数のバージョンがあり、そのタテマエは崩れている、と。
その上で、組み込み用JAVAでは、すでに、いくつもの様々な違いのあるバージョンがSunの協力の下、さまざまなベンダーから出されていて、組み込み用では、とくに全く、このタテマエなど、すでに壊れている、と。
現在では、「一度覚えれば、どこでも働ける」という、JAVA文化、JAVAコミュニティのキャッチフレーズのほうが似合っているらしい。
でも、だったら、Sunが、あれだけ大掛かりなMicrosoftとの戦争を繰り広げた、その大義名分も、もはや過去のものとなった、ということか。

そのほか

ちょっと面白いな、と思ったこともいくつか。

「JavaDesktop」の端末が、そこらじゅうにおいてあって、入場パスポートがJavaCardで、言ってみればスマートカードみたいなものだが、これを差し込むとログインできるようになる。
Solarisだと思われるX-Windowの画面が、JavaDesktopというもので構成されている。見た目はWindows95系の、下にタスクバーがあって、スタートボタンのWindowsマークがJavaマークにかわっているぐらいの、Windows劣化コピー品。
デスクトップの壁紙を表示するのに、すごい時間がかかって、アクセラレータなしの10年前のWindows95とかで作業しているか、もしくはVMWareでVMToolsドライバを要れずにエミュレーションだけで画面描画しているような、そんな遅さを楽しめました。起動されるアプリケーション自身はサクサク動きましたケド。でも、これ、ちょっといいかなー、とか思った。FedoraCoreに(簡単に)入れられるのならば、入れてみたいような気も。

んー、あと何かあったかな。
会場の作りというか、「東京国際フォーラム」の作りが、結構、凝ってる建造物だなぁ、という印象ぐらいか。
ほとんど、B、D、G以外には行ってないのですが。