「記憶のゆくたて」を読み返す。
記憶のゆくたて―デジタル・アーカイヴの文化経済
蔵書整理していて、発掘された本。
2003年2月発行の本なんだよね、これ。
従来の資本主義では物品やサービスの販売に重点がおかれてきたが、サイバースペースの経済の中ではそれらは二次的なものとなり、人間関係の商品化が重要となる。
産業経済では大量生産と製品の販売数と市場におけるシェアが重視されるが、アクセスの時代では、どれだけ特殊なサービスを、どのような種類のアクセスを提供できるかが問われる。
生活の中に存在する価値「ライフタイム・バリュー」(LTV)を発掘し、それに答えることができることが顧客、すなわち市場を手にいれることとなる。
したがって、あらたなマーケティングの概念とは、市場シェアではなく、顧客数となる。つまり、顧客とともに成長したブランド・メカニズムを見つけることが鍵を握るのだ。(p.148より引用)
# つーか、現在に至ってさえ、だれもレビューしてねーよ。
まるで、mixiを予知していたかのような、というか、mixiの創始者は、これを読んでいただろう、とは思うが。
2003年当時、この本を買っていたと思うが(表紙とかが少し汚れているところを見ると。)、その価値に気付くのに3年かかった。
この本は、スモールネットワーク論などよりも3年は先んじていたのか。
今では、遅すぎる。
当時、オレの頭の中は仕事に直接関係する、UMLとアスペクト指向と統一プロセスでいっぱいだった。
セマンティクスウェブ関係の本も、2002年前後なのだよね。
こちらは、最近、買い始めているが。
同じ分野であったとしても、仕事では得られない、しかし重要なことがある、ということの再発見。
ここの見極めができるようになれば、少しは生き方がラクになるかもしれんなァ。
無理やり時代を追わされるのではなく、その先陣をリードできればいいのに。
(でも方向を見誤る可能性も否定できない。そこがリスクだろう。)